理髪店や美容院の類は怖い。何故なら刃物をはじめとした凶器を持った相手に対し、長時間無防備な体勢をさらさなければならないからだ。例えばごっついカミソリをあごに当てている床屋のおっちゃんが突然「ニイチャン、こいつを横に動かしたらどうなるかねえ」とか言いつつ既にカミソリはリズミカルに横方向の動きを開始していて叫ぶ間もなく声帯をやられ助けを呼ぶこともできず、血の海の中に浮かんだ髪の毛を眺めつつ絶命しちゃったり、シャンプーしてる新米美容師のおねーさんが「ちょっと聞いてくださいよお客さんにこんなこと言うの失礼なんですけど毎日シャンプーばっかりで飽きちゃったんですよ給料安いし重労働だし休みは週イチだし」愚痴を延々こぼしつつ突然「うふふふふ」と笑い出しタオルを私の顔に凄い力で思い切り押し付けやっぱり叫ぶ間もなく窒息死させられたり、「じゃあ耳は丸ごと切り落とす感じで」という言葉とともに本当に耳がさくさく切り落とされたり、
そんな妄想をしつつカットしてもらう。